| ■相続税・贈与税の改正 (平成15年度税制改正) |
| 1.相続時精算課税制度の創設(相続・贈与一体課税制度) |
| 1)概要 |
生前贈与については、受贈者の選択により、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、 その後の相続時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った「贈与税」を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税をすることができることとする制度です。
(注1)生前贈与財産合計と相続時財産とを合計したものを基に相続税計算をします。
(注2)Aは生前贈与財産の合計額が、2,500万円以下のため贈与税はかかりません。
(注3)Bは3,000万円の生前贈与を受けたためBが支払った贈与税100万円は相続税から控除されます。 (3,000万円−2,500万円)×20%=100万円 |
| 2)適用対象者 |
| 本制度の適用対象となる贈与者は65歳以上の親、受贈者は20歳以上の子である
推定相続人(代襲相続人を含む)です。 |
| 3)適用対象財産等 |
| 贈与財産の種類、金額、贈与回数には、制限は全く設けられていません。 |
| 4)適用手続 |
本制度の選択を行おうとする受贈者(子)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、所轄税務署長に対してその旨の届出を贈与税の申告書に添付することにより行うものとなっています。
この選択は、受贈者である兄弟姉妹が各々、贈与者である父、母ごとに選択できるものとし、最初の贈与の際の届出により相続時まで本制度は継続して適用されます。 |
| 5)税額の計算 |
1)贈与税額の計算
本制度の選択をした受贈者(子)は、本制度に係る贈与者(親)からの贈与財産について贈与時に申告を行い、他の贈与財産と区分して、その贈与者からの贈与財産の価額の合計額を基に計算した「贈与税」を支払うものです。
その「贈与税」の額は、上記の贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる2,500万円(非課税枠)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて計算することとなっています。
2)相続税額の計算
本制度の選択をした受贈者(子)は、本制度に係る贈与者(親)からの相続時に、それまでの贈与財産と、相続財産とを合算して現行と同様の課税方式(法定相続分による遺産取得課税方式)により計算した相続税額から、既に支払った「贈与税」相当額を控除します。
その際、相続税額から控除しきれない場合には、「贈与税」相当額の還付を受けることができます。
尚、相続財産と合算する贈与財産の価額は贈与時の時価となっています。
※ 上記は、平成15年1月1日以後の相続又は贈与から適用されます。 |
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| 2.相続税の税率構造の改正 |
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(現 行) |
税率 |
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(改 正) |
税率 |
| 800万円以下の金額 |
10% |
1,000万円以下の金額 |
10% |
| 1,600万円 〃 |
15% |
3,000万円 〃 |
15% |
| 3,000万円 〃 |
20% |
5,000万円 〃 |
20% |
| 5,000万円 〃 |
25% |
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| 1億円 〃 |
30% |
1億円 〃 |
30% |
| 2億円 〃 |
40% |
3億円 〃 |
40% |
| 4億円 〃 |
50% |
3億円超の金額 |
50% |
| 20億円 〃 |
60% |
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| 20億円超の金額 |
70% |
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| 3.贈与税の税率構造の改正 |
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(現 行) |
税率 |
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(改 正) |
税率 |
| 150万円以下の金額 |
10% |
200万円以下の金額 |
10% |
| 200万円 〃 |
15% |
300万円 〃 |
15% |
| 250万円 〃 |
20% |
400万円 〃 |
20% |
| 350万円 〃 |
25% |
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| 450万円 〃 |
30% |
600万円 〃 |
30% |
| 600万円 〃 |
35% |
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| 800万円 〃 |
40% |
1,000万円 〃 |
40% |
| 1,000万円 〃 |
45% |
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| 1,500万円 〃 |
50% |
1,000万円超の金額 |
50% |
| 2,500万円 〃 |
55% |
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| 4,000万円 〃 |
60% |
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| 1億円 〃 |
65% |
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| 1億円超の金額 |
70% |
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〈改正後相続税の速算表〉 |
〈改正後贈与税の速算表〉 |
| 法定相続人の取得金額 |
税率 |
控除額 |
| 1,000万円以下 |
10% |
− |
| 1,000万円超3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
| 3,000万円超5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 |
30% |
700万円 |
| 1億円超 3億円以下 |
40% |
1,700万円 |
| 3億円以上 |
50% |
4,700万円 |
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| 基礎控除後の課税価格 |
税率 |
控除額 |
| 200万円以下 |
10% |
− |
| 200万円超 300万円以下 |
15% |
10万円 |
| 300万円超 400万円以下 |
20% |
25万円 |
| 400万円超 600万円以下 |
30% |
65万円 |
| 600万円超1,000万円以下 |
40% |
125万円 |
| 1,000万円超 |
50% |
225万円 |
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※ 上記の改正は、平成15年1月1日以後の相続又は贈与から適用されます。 |
| 4.住宅取得資金等による相続時精算課税制度の特例の創設 |
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(1)相続時精算課税制度について、自己の居住の用に供する一定の家屋を取得する資金又は自己の居住の用に供する家屋の一定の増改築のための資金の贈与を受ける場合に限
り、65歳未満の親からの贈与についても適用することとし、2,500万円の非課 税枠に1,000万円を上乗せし、非課税枠が3,500万円となります。
(2)「一定の家屋」とは、新築又は築後経過年数が20年以内(一定の耐火建築物である場合には、25年以内)の家屋で床面積が50u以上であること、その他の要件を満たすものをいいます。
(3)「一定の増改築」とは、増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替等であって、当該増改築の工事費用が100万円以上であること、当該増改築後の床面積が50u以上
であることその他の要件を満たすものをいいます。
(4)土地は原則対象になりませんが、建売住宅や分譲マンション等 住宅用家屋の新築等とともに取得する、その敷地の用に供されている土地等は対象になることとなっています。
(5)この特例は、平成15年1月1日から平成17年12月31日までの間に贈与により取得した住宅取得資金等について適用されます。
(6)現行の住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例(5分5乗方式)については、平成17年12月31日まで、経過措置として存置されます。 |
| 5.その他の主な改正 |
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(1)相続税の申告に際し、必要となる他の共同相続人の贈与税の申告内容について、必要最小限の情報を相続人の請求により税務署長が開示する制度が創設されました。
(2)相続税額の二割加算制度について、加算の対象となる者に、被相続人の養子となった当該被相続人の孫(代襲相続人である者を除く)が追加されました。
(3)贈与税について、更正等の期間制限(現行3年又は5年)が6年に延長されました。
(4)生命保険に関する権利の法定評価の規定について、所要の経過措置を講じたうえ廃止し、原則として個々の契約に係る解約返戻金の額を用いて評価することとされました。
(5)特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例については、相続時精算課税制度に係る贈与財産を適用対象に加えるとともに、所要の規定の整備が行われる予定です。 |
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